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訪問記 Part 5

いよいよ今日で2012年夏のカカオ農園訪問記も
最後となります。

初めて海外に行くスタッフが多い中、くねくねした
山道を何時間もかけて行く道中で車酔いしたり
体調が芳しくなくなるメンバーもいなかったわけでは
ありません。

しかしそこは持ち前の若さと気力と情熱で
すぐに回復!そしてみんなで現地の農家と話し合い、
交流し、そしてまた建設的な議論をしてくることが
できました。


このブログでは何度も書いていますが、
「無農薬でオーガニックが良い」という気持ちは
分かります。でも、「私はオーガニックのもので
ないと食べない」とか「無農薬で育ててないなんて
安全じゃない」とか言う人がいかに多いことか。

それを求めるのは個人の自由。でも、求めるからには
その意味を知り、対価を払う覚悟がなければなりません。

1つの農家が無農薬で栽培を始めることで、
害虫がそのエリアに集まってしまい、最終的に
他の農家にまで影響を与えてしまうリスクを
考えたでしょうか?

それなら無農薬の農家だけでなく、その村全体の
所得保障をすればよい、と言うかもしれませんが、
Dari Kのチョコレートが1粒1500円とか2000円に
なったとしても「無農薬なら喜んで」と言って買いますか?

これは無農薬かどうかだけではありません。
市場価格より何割か高い金額を出しているからといって
自社をフェアトレードだと声高に叫び、それを
ウリにしている(たとえ全体の輸入カカオの
数%だけだとしても)企業を、CSR(企業の社会的責任)
のしっかりした会社だと評価すること。

悪いことじゃないけど、それがベストなのか?


カカオ農園に行ったことのあるショコラティエは、
多くはないけど、きっと何人かはいるでしょう。

でも「行ったことがある、見たことがある」のと
Dari Kのように現地に赴き、カカオ豆の中を割って
その品質を農家の人と話し合って問題点と
解決策に頭を一緒にひねったり、カカオ豆を使った
お菓子作りを一緒にしたり、そうやって次に、
将来につながる形の訪問をしたのでは大きな大きな
差があります。

カカオ農園に行って見学して、「ショコラティエの
僕は品質の良い豆だけしか使わない」なんて
言ってくるのはかっこいいのかもしれないけど、
どうやれば品質の良い豆が出来るのか、それを
ショコラティエも知らないし生産する農家も
知らなかったら?こんな無責任で、非建設的な
ことはありません。

そうでなく、泥臭いけど一生懸命学び、農家の人が
どれだけの面積に何本のカカオの木を植えて、
1年にどれだけの収穫量があって、接木することで
生産量がはじめの2年はどれだけ落ち込むけど
その後どれだけ増えるのか、これを逆算して
どれだけ毎年接木して新しく生産性の高い木に変えて
行くべきなのか、ベストな発酵方法と期間は何なのか、
こういうのを一緒に考え、一緒に試行錯誤して
一緒に実行していくこと、これがDari Kが目指す
プロフェッショナリズムです。

プロとは、自分で考えて自分で行動できる人だと
私は思っています。

小手先でうまくクーベルチュールを加工することが
出来る職人は、それは加工技術を持っている職人では
ありますがプロフェッショナルとは別だと思います。

今回、カカオ農園を訪問して一番刺激を受けたのは
まぎれもなくショコラティエ達本人です。自分で作る
チョコレートの原料の現場を見て、カカオの実の味を
知り、栽培の仕方や発酵・乾燥を目の当たりにしました。
農家の課題や、自分達の課題も当然理解しました。

自分に一体何ができるか、何をすべきなのか、
それを考える土台を得たのです。

「カカオ豆からチョコレート作り」から
「カカオの木からチョコレート作り」へ。
そして「カカオを通してみんなが幸せな世界作り」へ。

P1090770.jpg

その芽が今、育ちつつあります。



(2012年カカオ農園訪問記 終わり)








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考え深いです。

 とても興味深い内容ですね。真剣さやや熱い思いだけでなく、きちんとリサーチされていることが伝わってきます。
 環境保護と経済発展は永遠の課題ですね。少し前のScientific Americanのarticle'The future of chocolate’でも、カカオの木はとても病害虫に弱く、ある程度の農薬を使って栽培しないと死んでしまうといったようなことが書かれておりました。 しかし問題の対象が何であろうと、いかにして知恵を絞り取り組むかが、プロとして問われるのだと思います。とはいえ、どの世界でもBetterもWIN-WINも難しいですよね。応援しております!(長文失礼しました)

Re: 考え深いです。

Scientific American の'The future of chocolate’拝読しました。
scienceのジャーナルだけあって、数字が出てくるので規模感がつかめてよかったです。

バレンタインだけで米国では7億ドルのチョコレート(560億円)市場。
全世界では900億ドル(7.2兆円)の市場、大きいですね。

カカオ農園に行けば、何の変哲もないカカオの木ですが
このまま需要が伸びるのは疑いがなく、供給は劇的に増えることは
ないので(病害などで減ることは十分ありえますが)、
カカオは数十年後には金のタマゴになるかもしれません。

でもその旨みは全て欧米資本の手に落ちるでしょう。
そうなる前に、今から動いておかないと!という感じです。
1年やそこらでwin-winの関係を構築するのは到底無理だけど
着実に進んでいっているとおもうので、これからも頑張ります!

それにしてもジャーナルを読まれているとは!
また色々お教えください!
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Author:Dari K
Dari Kの経営者です
宜しくお願いします!

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