スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

未曾有の円高

円高で1ドル80円台になって久しいですが、
最近では70円台に突入、政府の介入があったものの
他国との協調介入でなく単独介入であったため、
その効果は一時的なもので、ドル円相場は今現在
76円台になっています。

よくTVで円高の私たちの生活への影響について
街の人々にインタビューしたり、コメンテーターが
解説をしていますが、円高のメリットで挙げられる
「海外旅行に有利」とか「輸入原価が低くなる」というもの。

確かに円高のメリットではありますが、
円高だからって海外旅行に行こうとはならないですよね。
たまたま海外旅行に行く予定があって円高で
ラッキー、というくらいでしょう。

またドルやユーロなど外貨建てで輸入しているものは
確かに円高により実質的な調達費用は安くなるものの
小売価格に占める原価の割合なんてたかが知れています。

たとえば1本3000円で売っているフランスのワイン。
この3000円の内訳は、「現地のワインの価格+輸送コスト
+関税+酒税+消費税+輸入業者の利益+小売業者の利益」
だと思われますので、逆算すると実際現地で7-8ユーロの
ワインだったりするんですよね。

1ユーロが110~120円なので、仮に10%の
円高になったとして、ワインの価格や輸送コストが
外貨建てだとしても、おそらく原価への影響は
100円安くなる程度です。

もちろん100円でも、大きなロットで輸入していれば
全体では大幅な原価安メリットではありますが、
円高が1割進行することの影響を少し掘り下げて
考えてみましょう。

日本は人口が既に減少し、所得水準も増えず、デフレで
消費市場自体が良くて横ばい、だいたい縮小しているのが
現状。そんな中海外に販路を見出す企業が、新興国を含め
海外で利益を稼いで日本の国内市場の縮小からくる減益分を
補い、さらに利益を伸ばすというのが今の日本企業の戦略であり
構造です。

円高が進行した場合、日本の輸出製品の競争力が海外のマーケットでは
価格面でその分落ちるだけでなく、これまで蓄積した外貨建て利益を
円に換算することで、利益の目減りも発生するというダブルな
ダメージになります(まあこれに関しては実際に円に転換しなければ
損は出ないので、未実現ではありますが)

1円の円高で営業利益が吹っ飛ぶ(たとえばトヨタは1円の
円高で300億円利益が飛びます。しかもこれは原料安メリットを
考慮したあとの数字!)ことを考えると、10円、あるいは
1割の円高の進行がいかに企業の収益、それも日本の市場では
成長できないからと海外市場を成長ドライバーとしている
日本を牽引する優良な企業に打撃を与えるか分かるはずです。

そうした企業の利益が円高で悪影響を受けると
株式市場では株価は当然下がります。一方、税収面では企業の
利益が減るから収める法人税も減り、つまり政府の税収・予算は
一層厳しくなるということです。

さらに企業の採算悪化は従業員の給与・ボーナスの減少を招き、
つまりはサラリーマン世帯の家計も悪化。民間企業にあわせる
プレッシャーをかけられる公務員の給与も削減の方向に。
そして家計は消費を控えるようになるという流れに。

消費を控えるからこそ、円高メリットだからといって
海外旅行になんて円高だけを理由に行く気にはならない。
よって円高のメリットって、きっと冷静に考えると
デメリットの方が大きすぎて、あまりないんですよね。

そして今回のアメリカの格下げやデフォルト危機の事態が収拾し、
10年とか20年とか長い目で見れば、(というか市場が
落ち着きを取り戻し、冷静に日本の経済力が為替に
反映されるようになれば)円安の方向に向かうはずです。
そのタイミングはいつかはわかりませんが、そういう流れに
なるのだとしたら今はどういう行動をすべきか、そういう
方向で議論したいですね。

私にとっては、為替に左右されすぎない収入体制をインドネシアの
農家のために築くこと、換言すれば、為替のしわ寄せを生産者に
受けさせない仕組み作りを、これから考えていかねばならないと
思いました。


スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

もしかして徹夜中に書かはったブログですか?

何だかいつものDariKさんのpassionが感じられなかったので、もしかして・・と思いましたが違ったらごめんなさい!

池上 彰

為替と株価の関係、円高にメリットがないこと、それらに伴う今後の見通しなど、
限られた字数の中で、本当はわかりにくいことを例をひきながら、わかりやすく
解説されたなあと感心しました。

日本一わかりやすい解説をされる池上彰氏よりさらにわかりやすいと思いました。

これで阪田も、夜中2時の飲み屋でなら、誰かに「未曾有の円高」について解説
できそうです。

                               阪田 彰

Re: タイトルなし

徹夜中かどうかは忘れちゃいました(笑
最近よく徹夜なので。

でも結構冷静になってこの円高の記事は書いたので、
多分夜か朝書いたんだと思います。
夜中に書いていたら、もっとめちゃくちゃになってたはず><

Re: 池上 彰

> 日本一わかりやすい解説をされる池上彰氏よりさらにわかりやすいと思いました。

これ、褒めすぎですよ。
ポスト池上氏で、TV出たいですわ(笑

良くも悪くも、一つ何かを目にしたり、耳にすると、
とことん知りたくなってしまうんです。あと、一般に
言われていることに「本当かな?」って疑問に思ったり。

TVでレポーターが「円高が止まりません。でも円高は
円高=海外旅行で得っていうメリットもあるんです」って言ってて
それってちょっと短絡的過ぎない?という疑問を呈して
レポーターに代わりここは真実を伝えなくては、と思ったのが
そもそもこのエントリーのきっかけでした。

夜中2時の飲み屋では、話し手も聞き手も両方ベロンベロンじゃないですか!

DRY?

税収45兆円に対し、累積債務は900兆円くらい

国家破綻リスクを回避するのは、経済が成長して税収が増える
必要がある。
増税をしても債務が多きすぎるし、税金の節約にしても「社会福祉
関係経費が増える中、他の経費を見直す」ことは、実はずっとやっ
てきていて、「相当程度ぞうきんは絞られている」状況です。

バブル以降、成長戦略が未だに描けないということは、存在しない
ものを探しているのかもしれない。
少なくとも、「気づいたら景気がよくなっていた」ということはない
だろう。
それは、衣料品、日用品、食品など、日本製から外国製に置き換わっ
てきて、さらに、製造業が海外に行ってしまうなら、「大人の数ほど
には仕事の数」がないのは当然だからだ。

医療や介護は、基幹産業とはなりえない。
なぜなら、税金と保険と困った状況の人の自己負担で成り立っているもは、
雇用は一定あるでしょうが、それ以上のもの(景気回復など)を期待
すべきものでないものと思います。

ここらあたりが、経済に対する阪田の基本認識です。
店主が、こうして政治経済関係のやりとりをしてくれることで、カカオ
レベルだけでなく、阪田の政治経済レベルも上昇してゆくのかもしれま
せん。

ところで、すごくさっぱり味の缶チュウハイを紹介しておきます。
「SUNTORY CHU-HI DRY」---海の青色の缶で、濃いブルーで
「DRY」と書かれています。
最近、あまり売ってありませんが、今日たまたたま寄ったコンビにで
うってありました。
何を飲んだ後でも、さっぱりしていると感じる他にはない一品です。

                          阪田 彰

Re: DRY?

>税収45兆円に対し、累積債務は900兆円くらい

これ、とんでもないですよね。
家を買います、車を買います、っていったとき、
ローンを組むのに頭金20%ってよく言うけど、
これだと5%ですもんね。まあ、ストックの累積債務と
フローの税収を一緒に論じてはダメなのかも
しれないですが、それにしても、って感じですね。

「大丈夫、個人の金融資産が1400兆円あるから」
なんていいますが、赤ちゃんから超高齢者まで
日本の人口1.2億人で割ったとしても一人当たり
1000万円ですからね。これって誤解を生みますよね。
4人家族の平均貯蓄額が4000万円なんてありえません。

一部の人が何十億、何百億円をもっているから、
総額では1400兆円かもしれないけど、ここでは
日本人の平均を出してはダメで、統計で言う
中央値・最頻値をみないといけない。
すると、実際の世帯平均貯蓄額はだいたい
500万とかになるんです。

多く持ってる人は高齢者が多く、その人たちは
設備投資をするようなもの(車や電化製品など)を
あまり買わないので、彼らが貯蓄を切り崩して
消費を増やしたとしても、景気をダイレクトに
良くするようなシナリオは描けないという見方からも
阪田さんの仰るとおりだともいます。

日頃はあまり飲みませんが、缶チューハイDRY
今度見かけたら飲んでみます!
プロフィール

Dari K

Author:Dari K
Dari Kの経営者です
宜しくお願いします!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。